東京藝術大学の授業が行われました

6月2日(土)、東京藝術大学美術学部先端芸術表現科で教鞭をとられている正木基氏が、同氏の「戦後視覚文化論」授業枠で作家・荒川修作の研究授業を行いました。

この授業は高山登研究室所属学生と合同プログラムとし、三鷹天命反転住宅の一室を使いながら、荒川修作の立体・絵画・映画そして建築への50年の流れを、戦後美術研究の第一人者・正木基氏が豊富な資料と映像を用いながら行われたものです。

授業の中では、作品の形が変わりながらも、それぞれの時代に作家が作品にこめたメッセージを読み解く形で進められました。
初期の立体作品については、戦後日本の高度経済成長に対する非合理精神、東京が洗練されていく中で、人間の生はこういった形でいいのだろうかという立ち止まって考えようという精神を。絵画作品の中からは「考える」ということ見るものに要求し、死から生への転移のメッセージを。その後の建築作品では今までの「生」に対する考え方が「死なない」というメッセージになり、見るもののを変えていく装置としての作品づくりという3つのタームに分けてご説明されていました。

正木先生からは「荒川が「死なないため」にといったのは生きるということだから、「生きるため」にということなんだと思うんだよね。どうやって生きるんだということを考えているんだと思う。その中で、どうやって生きるかという能動性の問題を解いている。死なない生き方をしようということは初期の立体作品から三鷹天命反転住宅まで全く変わっていない。」というご指摘をいただきました。

私どもにとっても大変興味深い話があり、大変充実した授業でした。
ご企画くださった正木先生、高山先生はじめ、生徒の皆様ありがとうございました。

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