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トークセッションが開催されました

2006年4月10日 15:01 / レポート

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4/8(土)に三鷹天命反転住宅にてトークセッション「荒川修作が語るその使用法」が行われました。

ゲストに早稲田大学の三輪教授、高橋教授を迎えた内容は非常に白熱し、三輪教授のロボット工学の分野から、高橋教授の哲学思想まで、分野を飛び越えた話題はまったく尽きず、お越し頂いた約40名の方々は最後まで非常に熱心に、時には笑いを交えて聴かれていたようです。
三鷹天命反転住宅で行われた初めてのイベントということもあり、とても興味深いものになったのではないでしょうか。
トークセッションは4/15にも行われます。ゲストは早稲田大学の塚原史教授です。
こちらも是非ご期待ください。

トークセッション「荒川修作が語るその使用法」

2006年3月29日 15:09 / NEWS , インフォメーション

荒川修作の4月の来日に合わせて、トークセッションを開催いたします。

「荒川修作が語るその使用法」と題し、完成したばかりの「三鷹天命反転住宅」にて、そのコンセプトや活用法を荒川修作がゲストの方を交えて解説いたします。ゲストには荒川修作をよく知る早稲田大学教授の高橋順一氏、三輪敬之氏、塚原史氏です。
「死なないための住宅」を体験できる画期的なチャンスです。ぜひこの機会に参加ください。

一個人「想像力の旅がはじまる 荒川修作の建築世界」

2006年3月27日 18:58 / NEWS , インフォメーション

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4月26日発売の一個人(KKベストセラーズ)に「想像力の旅がはじまる 荒川修作の建築世界」と題して18ページにわたる荒川修作+マドリン・ギンズ特集が掲載されております。

「奈義の龍安寺」以降、近年の建築作品から、現在構想中のホテルプランにいたるまでの総力特集となっております。
インタビューでは荒川修作のほかに、養老孟司さんと一青窈さんが荒川作品の魅力についてお話いただいておりますので、ぜひご覧ください。

【KKベストセラーズ 一個人】
http://www.kk-bestsellers.com/magazine/ikkojin/

AERA 現代の肖像『「死なない」住宅にようこそ』

2006年3月20日 13:52 / NEWS , インフォメーション

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毎週1人の人物を5ページにわたって紹介している「AERA」の「現代の肖像」のコーナーに、今週(3月20日発行)は『「死なない」住宅にようこそ』と題して荒川修作が登場いたします。

今まであまり語られることのなかった「人間・荒川修作」の一面を今津良一氏による長期にわたる取材の上、紹介している貴重な文章です。マドリン・ギンズとの出会いやデュシャンや瀧口修造さんとの関係など必読の内容となっております。
トランスヒューマンを唱える荒川の意外な一面をお楽しみください。

【AERA】

http://opendoors.asahi.com/data/detail/7294.shtml

東京国立近代美術館、国立国際美術館で展示されています。

2006年3月14日 10:43 / NEWS , インフォメーション

竹橋にある東京国立近代美術館の常設展で、荒川修作の60年代と70年代の作品が展示されています。
初期の棺おけ状の立体作品から、すでに身体を意識した作品が制作されていることがわかります。

【東京国立近代美術館】
http://www.momat.go.jp/Honkan/list20060310.html
一方、大阪の国立国際美術館でも70年代の大作が久しぶりに展示中です。

【国立国際美術館】
http://www.nmao.go.jp/index.html

各美術館の常設展示では思わぬ作品に出会うことがあります。皆様ぜひ覗いてみてください。
※荒川修作の美術作品および展覧会に関する最新情報につきましては、弊社およびアートアンリミテッドのサイトにてご覧いただけます。
【アートアンリミテッド】
http://www.artunlimited.co.jp/

一青窈さんがいらっしゃいました

2006年2月27日 16:30 / NEWS , インフォメーション

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昨年末、アーティストの一青窈さんがコンサートツアー「Yo&U Tour’06 」アートブックの撮影のため、三鷹天命反転住宅にいらっしゃいました。

三鷹天命反転住宅の色とりどりな風景と一青窈さんの不思議な魅力が相まって、とてもきれいなアートブックにしていただきました。カメラは気鋭の写真家、新津保建秀さんです。撮影中、新津保さんが「面白い!面白い!」といってシャッターを切きっていたのがとても印象的でした。この写真集は現在はツアー会場で販売中とのことです。コンサートツアーは4月末まで続くようですので、皆様是非チェックしてみてください。

【一青窈OFFICIAL SITE】→http://www.hitotoyo.ne.jp/

【現場インタビュー】第三回 三菱商事建材株式会社 塩地博文さん ②

2006年1月27日 11:11 / NEWS , インタビュー

前回に引き続き、三菱商事建材株式会社モイス事業部の塩地博文さんにお話を伺います。

今こそ「文明都市」が必要

塩地 僕が今回一番言いたいのは、荒川さんの持っている、なんていうかな、現在の街や生活や世界に対する一定のリズムをもったフラストレーションみたいなものが、共有できるんです。で、そういったフラストレーションって、大小は別にして、実は多くの現代人が持っているんだよね。それが共鳴して共振すると、もう一回リメイクしましょうっていう衝動になるんだと思います。

ABRF その究極形態が例えば戦争ですよね。

塩地 ですね。その戦争を起こしたくないと思わせるには、やはり残したい物とか、壊したくない物がなければダメなんだよね。戦争って最大の破壊行為じゃない。だから壊したくない最大規模のものっていえば文明都市になるんだよね。荒川さんのフラストレーションの打開策というのはそういう方向にあると思う。

僕もその唯一の手段は建築だと思うよ。建築以外にないんですよ。そもそもそうだったんです。科学技術の広がりとか叡智の結晶を示す物は、大昔から土木工学を含めた建築なんですね。その際たる物はピラミッドです。構造力学、材料工学の粋を集めた技術の結晶です。

例えばこういうことなんですよ。エジプトのピラミッドでは、同じ石材を使うにも、構造を支える石は、切りやすかったり運びやすいもの、だけど遺体を安置する間は「御影石」という固くて重い石で出来ていて、使い分けられています。なぜ御影石なのかというと、ミイラ化するように、御影石から発生するマイナスイオンが活用されているなんて説があるんです。そういった当時の多くの技術、アイデア、知識が全てピラミッドに集約されているんですね。全ての材料を知悉して、何百年や何千年にも渡って自分たちの文化とか権威とか知性とかそういったものを全て見せてきたわけですよ。それがあるときからショーウインドの向こう側にいってしまって、それが経済行為としての芸術になってきたということを、どう打開するかといったら建築が一番分かりやすいんですよ。

建築における「時制」

エコビルド展にて
【エコビルド展にて】

塩地 三鷹の住宅についても、なぜ色があんな色なのとか、丸なのとかあるけど、そんな問題じゃないんだと思う。

結局、人が芸術や建築をなぜに希求するかっていう意味を、もう一度考え直さないと、荒川さんのやろうとしていることは分からないんだよね。ここら辺の解説が一番抜けていると思う。そこの解説が抜けてしまうと、ただ、「荒川さんのデザインって面白いねー」てだけで終わっちゃう。自己満足ですね。それはね、建築でやってはいけないんです。建築は住む人もいるし、いつか解体もするわけだから、変なもの作ったらまた地球へのご迷惑になるし。そしてその迷惑が時間を持つんですよ。こういう言い方のほうが分かりやすいかな。迷惑に「時制」が生まれるのが建築なんですよ。現在の責任だけじゃなく、未来や過去にも責任を果たさなくてはならない。今まであった基礎技術を結集して、過去の英知も十分に理解した上で、何十年も何百年も何千年にも未来に渡る造形物をつくるわけだから。でも今の建築は時制を無くしてしまったのかもしれない。だから作った瞬間にそれは消耗品であり、潜在的な廃棄物なんですよ。いつも壊すばっかりでしょ。全部ゴミになっちゃう。なんて馬鹿な事をやっているのかってね。(笑)もし荒川さんが自己満足でやろうとしているのなら、建築の世界に来ないでくれという人は結構いると思うんですよ。

でも僕が思うのは、やっぱり荒川さんの作りたいものは、単純にその時消費されるだけの建築ではなく、時を刻む文明としての建築だとおもうんですよね。時間を渡っていく建築ですね。

ABRF もともとピラミッドが持っていたような、文化、文明につながる建築にしたいということですか?

塩地 絶対そうだと思う。そういう文明に対して、リアルにつながる技術や部材を提供する事が今回のプロジェクトだったんだと思います。そういった意味では我々の目指す方向とやはり一致したんだと思う。

人が好き、地球が好き。もうそれしかない。

塩地 あの、なぜ荒川さんがこんな事を始めているのか、っていうことがあると思いますが、僕が思うのは、荒川さんは人が好きなんです。つまるところ、これに尽きるんですよ、彼は。でね、人が好きになったら、どうしたって地球が好きになっちゃう。こんな話、子どもっぽいかな(笑)。
でもね、人が好きで地球が好きって事以外に、人が立つ原点はもうないよね。環境を究極的に破壊していって、食糧危機にエネルギー枯渇、これからずっと内向きの時代が続くわけです。そういった中で荒川さんのようにシンボリックに何かを打ち立てて、人や地球が好きになるようにみんなを喚起していかないと、この過密地帯の中で平和に生きる方法って実はないんじゃないかと思うんです。

例えば昔ながらの古民家ってありますけど、茅葺屋根とかああいった建物は地球が好きじゃなきゃ建てられないんですよ。身近にある石だとか葦だとか藁だとか木だとか、観察したり触ったりしながら、材料を理解していくその膨大な作業に支えられているんです。木だって、切り取った後、どんな場所に置いたら乾燥が進んでいって、いつ頃から建築材料として利用できるのか、なんて事、一世一代じゃ無理ですよね。好きじゃなきゃ使えないんですよ。そういった思いが綿々とそして広大な知恵の塊となって家になるんですよ。材料工学なんて大げさに言わなくていいんです。知恵ですよね。そういう知恵が積層していくんです。

だから荒川さんの建物で言えば分かりやすいのはキッチンだよね。部屋の中央においてあるあのスタイルなんて、昔ながらの囲炉裏と同じだよね。囲炉裏を中心におくと料理と暖房の両方の意味がある。その立ちこめた熱気は家を暖めて、それをみんなで囲んでコミュニケーションを生み出す。で、その原点はどこかって言うと、人が好きで地球が好き。だからモイスの精神と共通なんです。それを政治的アプローチ以外の手法でやれるのは、建築じゃないかな。未来へ発信できる「覚悟を持った提案」、それが建築であると思っています。
それこそ、荒川さんが言い放った「天命反転」ということなのかな。


【三菱商事建材 塩地さん】

2005年9月9日 三菱商事建材にて(了)

皆様ぜひご一読ください!(「TONE」Vol.4)

2005年12月27日 17:31 / NEWS , インフォメーション

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12月27日発売の『TONE』第4号に、“荒川修作「三鷹天命反転住宅」何かがはじまる大いなる住まい”という記事が掲載されています。

いつも時代の旬を様々な特集・テーマで迫る姿勢の編集方針の発行元が出している雑誌ですが、今回は“恒久保存大特集「アメリカのロックは何と戦ってきたのか?」”と題うって、伝説的なバンド・ミュージシャン、錚々たるラインナップのインタビューがずらり。その中に突然、「三鷹天命反転住宅In Memory of Helen Keller」は登場します。戦うロックン・ローラーたちと並んで何の違和感もないアラカワ、「死に抗う天命反転の世界」とはロックン・ロールだったのか?その答えは是非、本誌をお手にとってお読みください。ついでに、と言う言い方は失礼かもしれませんが、60年代からのロックン・ローラーたちには必読号となっています。

本年はお世話になりました。2006年がよい年になりますように。

Keep on Rollin’ and reverse your destiny!!
interview & performance 「TONE(トーン)」
http://www.toneunderground.com

【現場インタビュー】第三回 三菱商事建材株式会社 塩地博文さん ①

2005年12月20日 10:15 / NEWS , インタビュー

今回のインタビューは三鷹天命反転住宅の内装の壁材である「モイス」を提供して頂きました三菱商事建材株式会社モイス事業部の塩地博文さんにお話を伺いました。

◆芸術から建築へ ~リアルの世界への挑戦~

ABRF 今回の三鷹プロジェクトそして荒川修作+マドリン・ギンズとの仕事について教えて下さい。

塩地 やわらかくしゃべっていいですよね(笑)。

ズバリ言うとね、今回荒川さんはリアルへの挑戦をしたのだと思う。建築は全てリアルなんですよ。特に住宅というのはそこに人が住み、息をし、生活が生まれる。「三鷹天命反転住宅」は芸術家、荒川修作の現実への挑戦ですよ。その挑戦だけでも賛辞を送りたい。素晴らしい挑戦だと思う。

芸術作品はいにしえから、触れる物で、身近に感じられる物だっでしょ。だけどあるときからショーケースの向こう側にあって、経済がキャンパスになってしまった。そういった中で本来持っていた芸術の真髄が変質し始めているんじゃないかな。荒川さんはまさにそういった時代の中で生きてきて、もともと持っていた芸術という意味を、建築っていう道具を使って、世の中に問い直そうという試みに挑戦したんだと思ってます。そしてそれに住ませようというのは、ある意味で芸術家の枠を、大きく飛び出したんだと思うし一時的には捨てたのかもしれない。

ABRF もともとの芸術の意味を取り戻すために、あえて芸術家であることをやめたと。

塩地 そう。それからもうひとつは、文化とか芸術というのものが限られた空間の中でのエンターテイメントだという、そういう世紀が終わってきてますね。

荒川さんは常に生きているもの、生命というものに関わってきているんだと思うんだけど、例えばガラスケースに入ったモナリザよりも、触れるモナリザを欲しているんだと思うんです。そしてそれを行えるものは何かって言うと、開放的で無限性をもった建築しかないんですよ。

◆荒川修作の夢を、最小単位で保証したい

ABRF 「モイス」の特徴として、曲げられる、加工できるといった「可変性」が今回のプロジェクトに役立てられていると思いますが、どうお考えですか。

塩地 そういった形状を自由に変えられるという部分で、曲線を多用している今回の住宅に適していると思います。でもそれだけだとプラスチックでも何でもできますよね。でも火災が起きれば有毒ガスが発生しちゃう。化学物質に過敏な人もいるでしょう。モイスの機能の特徴として、無機の天然素材から出来ていますから、燃えないし、空気の清浄化や湿度調整の作用もあります。また最後は土に戻せるんです。だから可変性だけではなく、ベーシックでありながら多機能な部材なんです。

荒川さんはマクロな目で建築の世界を見ていますが、僕らは逆に建築というものを因数分解したときの、最小構成物質のような物になりたいわけです。色々なものがあるけど、必要な最小単位の物は何なのか。余計な物を一切省いた時に浮かび上がった最小単位、それが部材としての大事な条件だと思うんです。

ABRF そういった縁の下の力持ちというか、ミクロの視点での品質保証が必要ということですね。

塩地 荒川さんは「夢」を持っていますが、私たちは「確かさ」を持っている(笑)。その共同作業がとてつもなく面白い。今回の仕事で最終的に思ったのは、建物というのは共通の空間で仕事をし、息を吸う。それをリアリストである我々がどう支えていくかということと、荒川さんが我々の基盤の上に立って、創造者たらんとして頂けるか、そういうひとつのイベントだった気がしますね。僕はすごく面白かったですよ。

ただ、荒川さんが創造したい物は何かということと、壊したい物は何かということを、もう少し左脳から右脳に移動させる作業が必要だったのかなあと。何を作り何を壊したいのかという、その基盤となるイメージがつかめれば僕らももっと、リアリストとしての能力を発揮できる気がしました。挑戦はしたけれど何にどう挑戦したのかということがもっと明確になれば、よかったなと。彼は建築に挑戦したのか、住む人に挑戦したのかっていうのを、その辺を含めてイメージがもっと下がってくると、より参加者が増えてくると思っています。

三菱商事建材【MOISS】のホームページ
http://www.moiss.jp

2005年9月9日 三菱商事建材にて
インタビューの模様は第二回に続きます

【現場インタビュー】株式会社竹中工務店 小坂茂訓さん、大川修一さん③

2005年10月17日 10:20 / NEWS , インタビュー

竹中工務店 小坂さん、大川さん
【竹中工務店 小坂さん、大川さん】

三鷹天命反転住宅の施工を担当されている、株式会社竹中工務店作業所長 小坂茂訓さんと工事担当 大川修一さんのインタビュー最終回をお届けいたします。

◆三鷹天命反転住宅が生み出す今後の可能性

ABRF 荒川修作の考える建築コンセプトについて、長年建築に携わってきたお二人は、どのようにお考えですか。

小坂 我々建築に係わる人間はですね、ある意味では生産性というものを大切にしています。それは企業でもありますし、ビジネスでもありますから、同じものを沢山作ることによりコストダウンを図ったり、工期を短くしたりといった方向を追求する、というのが一般的な考えとしてあります。

しかし今回、カルチャーショックというか、先生は、そういったものだけを追い求めるのはいけない、とおっしゃるんですね。また、人間の住居ですから、常にそこに住む人の事を考えて進めなくてはいけないと、そういうことを言いたかったのだと思います。かつての日本の家がそうだったように、ひとつひとつの部屋が住む人によって違ったり、また形によって人の動きも変わったり、といったところに主眼を置いているのだと思います。そのきっかけとしてこの三鷹天命反転住宅はあるんだ、という意味合いを先生のお話の中から感じました。

三鷹現場にて
【三鷹現場にて】

大川 私は先生のお話や、実際現場で出来始めている部屋を見て、強く思うことがあります。それは、日本的とかアメリカ的とかではなく、それらのそれぞれの長所や特徴をミックスして融合したものを表現したいのではないか、と感じています。本当の意味での合理性ですね。例えば先生のお若いときに感性を磨いたいにしえの日本の、「タタキの土間」や「畳の部屋」、「障子」や「敷石」などを入れたかと思うと、近代アメリカのいい意味で完成されたもの、例えばユニットシャワーを使ってみたり、ダイニングキッチンを部屋の中央に持ってきたり、そういうごちゃ混ぜになっている。さらに、それらに先生独自のアイデア、丸い部屋やカラフルな色使い、窓の大きさが全て違うといった、本当に色々なものをミックスした上で集約している、そういうのを強く感じましたね。だから当初我々がこれを建築するときにどう思ったかといったら、もう頭はパニックです!(笑)

でも、それが実際に出来初めて見てみると、不思議な落ち着きがあったり、空間の広さや、空気の流れを感じるといった、住宅に必要な条件が全て備わっているんです。これは本当に驚きましたね。

ABRF 全景もあらわになりましたが、近隣の方からの評判というのはありますか。

荒川修作と大川さん
【荒川修作と大川さん】

大川 通行人の方々が、皆さん興味を持って尋ねに来るというのはあります。「これは一体何になるのですか?」なんて聞いてきてね。「普通の集合住宅ですよ」と返事するんですがね(笑)。

そういえば現場のすぐ脇にパン屋さんがあるんですが、お客さんが、三鷹天命反転住宅のことをしょっちゅう聞いて来て、「天命反転パン」という三鷹住宅の形に模したパンを作ろうなんて話にもなっているんですよ(笑)。

ABRF 天命反転パン!?

大川 本格的ですよ(笑)。球体や円筒の形をパンで作って部屋の形にして、色もちゃんとジャムとかクリームで色付けしてるんですよ。これも先生の「環境が生活を変える」と常々おっしゃる影響力の一つです(笑)。

ABRF 最後に、三鷹天命反転住宅の現段階までの出来栄えと、完成したらここはぜひ見てもらいたい、もしくは三鷹住宅に対する思いという点をお聞かせ下さい。

小坂 出来栄えと言うか、どれだけ先生のイメージしたものを忠実に具現化出来たかということになるかと思うんですよね。ですから特に、荒川先生に注目してくださっている方々が、これを見て先生の作品じゃないんじゃないかと言われることがないようにまとまっていれば先生のイメージに非常に近いものになったのではないか、と言うふうに思います。私自身が評価するというのはなかなか難しくて、これが出来上がってから色々なところで話題になり、批評されたり評価されたりといった中で、いい作品として残っていけばというふうに思います。

竹中工務店は慶長の時代から始まった歴史の長い会社で、実は「工務店」という言葉も竹中工務店が最初に作りました。私たちは「工務店」という言葉に「ものづくり」にこだわる一種の職人気質のような思いが込められていると考えています。その言葉に恥じない仕事になればいいなと心から思っています。

竹中工務店 小坂さん
【竹中工務店 小坂さん】

大川 私はいつも最近思っているのは、先生が来日されるたびごとに最初に現場を見た瞬間の、「ニコッ!」とした顔が見たくて、それで仕事しているっていうのはあるんですよね(笑)。その逆で、あるとき天井の配管を見て「なんだこれは!」って言われて怒った先生の顔を見たときは、うわ、これは嫌だ!って思いました。やはり内容に満足して喜んで頂いけたかどうかというのは、どうしても態度に表れますんで、そういうお顔を最後にも見たいなというのがあります。

もう一つは、完成後に「小坂君、大川君、ここはね、本当はこういうのがあってね、こうなるはずだったんだよ」みたいな、次へのステップのアイデアのようなものを生み出すきっかけになってくれて、それを聞ければ最高だなって思います。(了)

竹中工務店 大川さん
【竹中工務店 大川さん】

2005年7月25日 三鷹天命反転住宅現場事務所にて
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